マグネシウムの働き

マグネシウムはカルシウムとともに骨の形成や代謝，筋肉の収縮に重要な役割があります。

マグネシウム（Mg）は体内に約25～30g存在し，その50から60％は骨の中に，残りは筋肉，血管，細胞に含まれています。

カルシウムが重要なミネラルであることは今や当たり前のことのようになりましたが，マグネシウムがカルシウムと同じくらい大切なミネラルであることについて、最近注目されつつありますが、まだまだ認識されていないようです。

 

酵素の働きに不可欠な補酵素マグネシウム

マグネシウムは約300種類の酵素の働きを助けます。

酵素の働き助ける役割をする物質を「補酵素」と言います。

 

 

補酵素として消化酵素の働きを助けたりするので，炭水化物や糖分を分解し，代謝をアップさせる助けをします。また，脂肪分解酵素の働きを助けるので，マグネシウムが不足すると中性脂肪が分解されずにポッコリお腹になってしまうことなります。

マグネシウムはコレステロールの代謝にも関わっているので，不足すると低HDLコレステロール血症を引き起こすことがあります。

 

マグネシウムは活性酸素を除去する抗酸化酵素SODの補酵素にもなっています。

活性酸素はあらゆる生活習慣病は老化の原因になるので、マグネシウムを積極的に摂ると細胞老化予防に効果的です。

 

マグネシウム不足が関係している病気

以下の病気はマグネシウム不足と関係していると言われています。

 

・心疾患

・不整脈

・高血圧

・糖尿病

・骨粗しょう症

・片頭痛

 

マグネシウムと健康について研究されている専門家のトークを集めたサイトがありますので、上記の病気とマグネシウムの関連性について詳しく知りたい人は、下記のサイトを訪問してみてください。

 

「専門家が語るマグネシウム」

 

マグネシウムに関する健康、食事、海外の状況について厚生労働省の『「統合医療に係る」情報発信事業』にも詳しく情報が記載されているので紹介しておきます。

 

 

当サイト内の糖尿病や血糖値についての記事もよかったらご覧ください。

 

血糖値の急上昇で糖化―老化・あらゆる病気の原因に

現代の日本人が不足しているミネラルー血糖値を下げるミネラル

 

便秘の解消にもマグネシウム

マグネシウムには水分を引き寄せる作用があるので，大腸内で水分を引き寄せて便を軟化させて，便が排出しやすくします。ですので、便秘の解消につながります。

 

カルシウムとの関係

カルシウムとマグネシウム、どちらも大切なミネラルで、ついついたくさん摂りたくなってしまいますが、カルシウムとマグネシウムはお互いにしながらその役割を果たしています。

ですから、カルシウムとマグネシウムのバランスは大変重要で，カルシウム：マグネシウムは２：１が理想です。そのバランスが崩れてカルシウムが多くなるとマグネシウムの吸収が阻害されることがわかっています。

 

例えば、筋肉の収縮はカルシウムの働きによって起こりますが，マグネシウムはカルシウムが筋細胞に入りすぎないように調節しています。マグネシウムが不足すると、カルシウムが筋細胞に入る調整がうまくできなくなり、カルシウムが多くなりすぎて、収縮がうまくできなくなり，血管が細くなって高血圧，心筋梗塞，狭心症などを引き起こすことがあります。

 

現代の日本人はマグネシウム不足？

昔ながらの日本の食事ではマグネシウムをしっかり取ることができましたが，現代では食事が欧米化してきたため，野菜，豆腐，納豆，海藻，魚介などに多く含まれているマグネシウムが取りにくくなってきました。また，肉や加工食品によく含まれているリンを取り過ぎるとマグネシウムの吸収が妨げられるので，さらにマグネシウム不足となりやすくなります。

ですが，マグネシウムがいいからと言って，ダイエットや便秘解消のためにサプリメントなどで取り過ぎると高マグネシウム血症となり，下痢や吐き気を引き起こすことがあるので注意が必要です。