各種ミネラルの役割⑮―硫黄S
硫黄の働き
硫黄は体内で他の元素と結合し、アミノ酸やタンパク質の成分となり、次のような働きがあります。
・キレート作用によるデトックス効果
・健康で丈夫な髪・皮膚・爪などを作る
・美白・美肌
・殺菌作用
・糖質や脂質の代謝
硫黄のキレート作用によるデトックス効果
硫黄のキレート作用によるデトックスで、有害ミネラルの蓄積を防ぐ役割があります。
硫黄は体内ではシスティンとメオニチンというアミノ酸に含まれており,システィンに含まれる硫黄はカニのハサミのシスティンのキレート作用により重金属を挟んで捨てて,他の有効なミネラルと入れ替えることによるデトックス効果があります。
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健康で丈夫な髪・皮膚・爪などを作る
硫黄は髪・皮膚・爪などを作る重要な成分です。髪・皮膚・爪・軟骨の主成分であるケラチンは18種類のアミノ酸が結合してできたタンパク質ですが、その主要なアミノ酸であるシスチンには硫黄が含まれています。このシスチンはシスティンというアミノ酸が2分子結合したものです。硫黄を含むアミノ酸のことを含硫アミノ酸と言いますが、この含硫アミノ酸のシスチンはメオニチンというアミノ酸からも合成されます。メチオニンは体内では作ることができません。
美白・美肌
硫黄を含むアミノ酸システインは、ビタミンCと合成するとシミやそばかすの原因となるメラニンの生成を抑制する働きがあるため、美白効果が期待できます。
殺菌作用
硫黄には、殺菌・殺虫作用、肌の軟化作用があるため、ニキビ予防や水虫・疥癬などの軟膏や塗り薬としても使われます。アトピー性皮膚炎にも有効だと言われています。
糖質や脂質の代謝
硫黄はビタミンCやパントテン酸と結合して補酵素となり、糖質や脂質の代謝に関する酵素を助けます。
硫黄を含む食品
肉,魚,卵などのタンパク質を含む食品やネギやニラなどネギ科,にんにく,玉ねぎなどです。ネギやニラなどのにおいは硫黄から来ています。
不足すると
皮膚炎,爪がもろくなる,脱毛,解毒しにくくなる,関節が弱る
硫黄の豆知識
硫黄は非金属,軽く明るい黄色の粉末で,単体の硫黄のほか,硫化水素や硫酸塩などの硫化物として存在しています。
硫黄(S)と言えば独特のにおいを思い出す人も多いのではないでしょうか? 硫黄はわたしたちの周りでは,温泉やゆで卵,イオウみたいなにおいなどで話題になっていると思います。
硫酸や合成繊維,火薬,マッチなどの製造工程で使われることが多いようです。昔は黒色火薬の原料として大量に使われていたようです。
ゆで卵の卵白に含まれるアミノ酸が熱により分解して硫化水素が発生することがゆで卵の硫黄臭の正体です。また。この硫化水素が卵黄に含まれる鉄分と反応して第一硫化鉄となり,長くゆでると黄身が黒くなります。
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