各種ミネラルの役割⑰ーカルシウムCa 骨だけでなく脳や筋肉の働きに大きな影響!
カルシウムの働き
カルシウムはメジャーなミネラルで、骨や歯になくてはならないことはよく知られていますが、脳はカルシウムがなければ働くことができないことはご存知でしたか?
そのため、イライラして、怒りっぽい人は実はカルシウムが不足しているかもしれません。
カルシウムは体内のどこに、どのくらい存在しているの?
カルシウム(Ca)は体内に最もたくさん存在しているミネラルで,体重50kgの人なら約1kgのカルシウムが含まれています。カルシウムの99%は骨や歯に「貯蔵カルシウム」として貯蔵されており、残りの1%はカルシウムイオンとなって、主に血液などの細胞外液と筋肉・神経などの細胞内に存在し「機能カルシウム」として大変重要な働きをしています。
さらに、この1%の「機能カルシウム」の細胞外液(主に血液)と筋肉・神経などの細胞内液との濃度のバランスは10000:1となっています。このカルシウムバランスが体全体の細胞の働きを左右しているのです。
体内のカルシウムが1kg 骨の中のカルシウム(貯蔵カルシウム)990g 血液と細胞内のカルシウム(機能カルシウム)10g そのうち血液中9.999g 細胞内0.001g(1㎎)
すごいバランスですね。
液中のカルシウム濃度が何らかの理由で下がりそうになると、すぐに骨から「貯蔵カルシウム」が溶かし出され、血液中のカルシウム濃度を保とうとします。
また,骨はカルシウムの貯蔵庫と言いましたが、骨の中では骨を新鮮に保つために新陳代謝が行われています。まず、古くなった骨は破骨細胞によって壊され、吸収されます(骨吸収)。それから、破骨細胞によって壊され、吸収された部分に、骨芽細胞によって新しい骨が作られます(骨形成)。この骨吸収・骨形成は3か月のサイクルで行われ、1年間に約20%の骨が新しく作り変えられています。
骨吸収が進み、骨形成を上回ってしまうと、骨がスカスカになり、骨粗しょう症となってしまいます。
女性は閉経後、骨吸収が骨形成を上回ると言われています。
カルシウムの吸収率
カルシウムは腸で吸収され,吸収率は20-30%と低いです。
年齢でも吸収率は異なり、年齢が高くなると吸収率が低くなります。
10歳以下 35%
10代 40-45%
18-29歳 30%
30-49歳 男性30% 女性25%
50歳以上 25-27%
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2015年版 ブロック別講習会資料
カルシウムの吸収率をアップさせるためには、ビタミンDやクエン酸などの有機酸と一緒に摂ると効果的です。
フルボ酸も有機酸です。
カルシウムの働き
カルシウムには次のような働きがあります。
骨や歯の形成
筋肉収縮
筋肉は筋繊維という細い繊維の束でできており、力を出すときにこの筋線維が収縮しますが、この収縮はカルシウムイオンが引き金となって起こります。また、筋弛緩はカルシウムが筋線維に放出されたカルシウムイオンを、マグネシウムイオンが吸収することによって起こります。
この収縮のシステムの詳細について、ご興味がある方は面白い記事が千葉県の野田市のサイトにありましたので、読んでみてください。「筋肉を動かす鍵はカルシウム」(野田市HPより)
余談になりますが、筋収縮のカルシウム説は1965年頃まで全く相手にされず、筋収縮カルシウム説を勝ち取ったのは、日本人の江橋節郎先生(東京大学名誉教授)です。 筋収縮カルシウム説を勝ち取るまでのストーリーについてはこちら
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血液の凝固
カルシウムは血液が凝固する際に、カルシウムイオンとして大きな役割を果たします。
カルシウムがなければ、血液が凝固することができません。
神経伝達
神経伝達の仕組みは、神経細胞(ニューロン)から神経細胞へと情報がバトンタッチされていきますが、情報を受け渡す側の神経細胞(シナプス前細胞)と受け取る側の神経細胞(シナプス後細胞)の間にシナプスという隙間(シナプス間隔)があり、シナプスで情報を受け渡しする際に、情報伝達物質が放出され、前後の細胞で情報伝達物質を使って情報のキャッチボールが行われます。
その情報伝達物質が放出されるためにはカルシウムが必要です。
つまり、カルシウムがなければ神経伝達が行われないことになります。
神経伝達の仕組みについて詳しくは、「【簡単】神経伝達物質で情報を伝える「シナプス伝達」をわかりやすく解説」というサイトで分かりやすく説明されています。ご興味のある人は参考にしてください。
酵素やタンパク質を安定化させる
カルシウムは酵素やタンパク質を活性化させます。
カルシウムが不足すると
カルシウムが不足すると、骨粗しょう症や骨折しやすくなるなど、骨に関する弊害を思いつくことが多いですが、カルシウムは多くの働きをすることやカルシウム独特の特色から、骨に関すること以外にも様々な病気の原因となります。
血液中のカルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンが分泌され、骨からカルシウムを溶け出して血液中のカルシウム濃度が正常化されます。
血液中のカルシウム濃度が正常化されると、副甲状腺ホルモンの分泌は止まりますが、カルシウム摂取量が少なく、体内のカルシウム不足が続くと、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、血液中と細胞内のカルシウムのバランスが崩れ、血管や脳などの普通はカルシウムがほとんどない柔らかい組織に入り込み、老化や病気の原因となってしまいます。
カルシウム不足による不調や病気
体内のカルシウム不足により、骨からカルシウムが溶かし出されることによって、体内のあちらこちらの細胞にカルシウムが溜まることで次のような病気を引き起こします。(カルシウム・パラドックス)
動脈硬化と高血圧
血管の平滑筋という筋肉にカルシウムが入り込むと、石灰化が起こり、血管が硬くなると動脈硬化を引き起こします。さらに、血管内が狭くなるので高血圧の原因にもなります。
変形性関節症
軟骨にカルシウムが入り込むと軟骨が硬くなります。硬くなった軟骨は次第にすり減り、骨と骨が直接ぶつかることで痛みが生じ、変形していきます。
腎臓結石
溶かし出されたカルシウムは尿にも出てきて腎臓結石の原因になります。
認知症・アルツハイマー病
脳に余分なカルシウムが入り込むと、脳の伝達経路が破壊され、認知症やアルツハイマー病になることがあります。
免疫低下
カルシウムが免疫細胞に入ると、免疫機能がうまく働かず、免疫力が低下して、病気になりやすくなったり、治りにくくなったりします。
心臓病
心臓の冠動脈が石灰化して、心筋梗塞や狭心症の原因に。
ガン細胞の増殖
細胞内のカルシウム増加によって細胞分裂が促進され、ガン細胞も発育することもあります。
カルシウムの摂取基準量
男性推奨量 | 女性推奨量 | |
---|---|---|
1-2歳 | 450 | 400 |
3-5歳 | 600 | 550 |
6-7歳 | 600 | 550 |
8-9歳 | 650 | 750 |
10-11歳 | 700 | 750 |
75歳以上 | 700 | 600 |
30-49歳 | 750 | 650 |
50-64歳 | 750 | 650 |
65-74歳 | 750 | 650 |
15-17歳 | 800 | 650 |
18-29歳 | 800 | 650 |
12-14歳 | 1000 | 800 |
カルシウムはほかのミネラルとのバランスが重要
ミネラル全体に言えることですが、カルシウムはほかのミネラルと相互に反応し合って働いているので、ほかのミネラルとのバランスが非常に大切です。
例えば、カルシウムとカルシウムの摂取量の割合は2:1が理想とされていますが、最近ではカルシウムの方が多くなる傾向が強いようです。また、リンとカルシウムの割合は1:1ですが、リンの摂取量が過剰摂取が心配です。
詳しくは、「ミネラル不足とミネラルバランスの崩れは不調の原因に―フルボ酸で解消」ご参照ください。
カルシウムを多く含む食品
カルシウムを多く含む食べ物は、牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品、イワシ・わかさぎ・ちりめんなど骨ごと食べられる小魚、小松菜・モロヘイヤ・ひじきなどの野菜や海藻類です。
カルシウムはビタミンDと一緒に摂ると吸収が良くなるので、ビタミンDを多く含む食品を一緒に食べると効率が良くカルシウムを摂取できます。
ビタミンDを多く含む食品は、イワシ・さんま・アンコウの肝や、シイタケ・きくらげなどです。あまり食べる機会はないかもしれませんが、特にアンコウの肝にはたくさんのビタミンDが含まれています。
ビタミンDは日光を浴びることで体内で生成されるので、日焼けも気になりますが、日光に当たることはカルシウムの吸収を良くするためには必要です。
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