酵素と補酵素として働くビタミンとミネラル

 

酵素が体に良いとよく聞くと思います。最近では健康のために，酵素ドリンクや酵素ドリンクを使ったファスティング（断食）をする人もいます。では，酵素とはどんな働きをするのでしょうか？　また，酵素の働きを助ける補酵素とは何でしょうか？　今回は酵素と補酵素としてのビタミンとミネラルについてのお話です。

 

酵素とは？

 

人の体の中では様々な化学反応が起こっています。例えば，食べ物を食べると人間の消化器官は食べ物を消化します。そして，消化した食べ物を体を維持するために栄養として吸収します。吸収された栄養は代謝に使われます。このような体内での化学反応を円滑に行うための触媒の働きをするのが酵素です。学校で習ったことがあるかもしれませんが，唾液に含まれるアミラーゼはデンプンを溶かし，胃液に含まれるペプシンはタンパク質を，すい臓から分泌されるリパーゼは脂肪を分解します。また，SODは活性酸素を除去します。体内には約5000種類の酵素が存在すると言われています。

酵素には消化酵素，代謝酵素，また食物に含まれる食物酵素があります。代謝酵素は運動や呼吸，免疫，解毒，神経系，ホルモン系を調整したりする重要な働きがあります。

 

補酵素とは？

 

このように体内で大変重要な働きをする酵素ですが，補酵素がなければしっかりと働くことができません。補酵素はコエンザイム，コエンチームとも呼ばれます。コエンザイムと言えばコエンザイムQ10というサプリメントがあるのをご存知の方もおられるかもしれません。このコエンザイムQ10も補酵素の一つで。ビタミン，ミネラルは補酵素として働きます。ビタミンB群は代表的な補酵素です。

活性酸素を除去する抗酸化酵素のSODは1秒間に9万個もの活性酸素を除去しますが，亜鉛，マンガン，銅などのミネラルがなければ働くことができません。SODが除去しきれなかった活性酸素は，過酸化水素に変化しますが，この過酸化水素を除去するための別の酵素はセレンや鉄などのミネラルが必要となります。（「アメリカはなぜガンが減少したか｝森山晃嗣著参考）

酵素とビタミン・ミネラルは必要であることは知られていますが，その働きには密接な関係があることがわかります。