腸内環境を改善すると免疫力がアップする

新型コロナを初め、あらゆる病気と戦うために免疫力をアップさせることは必須です。この免疫力をアップさせるには、腸内の環境をと整えることが非常に大切です。なぜなら、腸内には約7割の免疫細胞が集まっているからです。（免疫力を高める腸活についてはこちらの記事もご覧ください）腸内にはたくさんの菌が住み着いていて、重さにすると1-1.2kgもあると言われています。これらの菌のうち、善玉菌を増やすことで腸内環境が改善されることはよく知られており、そのため、ビフィズス菌を含むヨーグルトや発酵食品を食べると体に良いと言われたりするのです。

今回は腸内環境を改善するための鍵となる善玉菌を増やす方法についてのお話です。

善玉菌を増やす方法

腸内の善玉菌を増やし、腸内で悪玉菌より善玉菌を優勢にすると腸内環境を良くなります。

善玉菌を増やすためには、①善玉菌を直接摂る　②善玉菌のエサになるものを摂る　二つの方法があります。

 

免疫力を高める腸活についてはこちら

 

①善玉菌を直接摂る方法

腸にいい菌、つまり、善玉菌を直接摂って、善玉菌を増やす方法です。

乳酸菌やビフィズス菌が有名ですが、これらの善玉菌はプロバイオティクスと呼ばれています。

プロバイオティクスとは、アンチバイオティクス（抗生物質）に対して、提案された用語で、イギリスのFullerにより「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」と定義されました。

 

病気になると、細菌を退治する抗生物質（アンチバイオティクス）が使用されますが、アンチバイオティクスを使うと善玉菌まで退治されてしまします。

それに対比されるものとして提案されたのがプロバイオティクスでした。

 

次の条件を満たす菌種がプロバイオティクスとして認められます。

・安全性が保証されている

・もともと宿主の腸内フローラの一員である

・胃液、胆汁などに耐えて生きたまま腸に到達できる

・下部消化管で増殖可能である

・宿主に対して明らかな有用効果を発揮できる

・食品などの形態で有効な菌数が維持できる

・安価かつ容易に取り扱える

 

参考：腸内細菌学会HP用語集ープロバイオティクス

 

ヨーグルトの乳酸菌やビフィズス菌は有名ですが、納豆・味噌・醤油・ぬか漬けなどの発酵食品も植物性乳酸菌を含み、酸にも強く腸まで到達することができます。

 

ヒューミックシェールのフルボ酸も、古代植物が微生物によって約1億年かけて、分解発酵された究極の発酵食品です。

 

②善玉菌のエサになるものを摂る方法

善玉菌を増やすもう一つの方法は、善玉菌のエサになるものを摂ることです。

例えば、食物繊維やオリゴ糖です。食物繊維は水溶性食物繊維を意識して摂ることが大切です。

水溶性食物繊維を含む食べ物は、ひじき・わかめ・めかぶ等の海藻類、大麦・もち麦等の雑穀類、ゴボウ・人参・オクラ等の野菜、さつまいも・こんにゃく等のイモ類、しいたけ・エノキ等のキノコ類、納豆等の豆類、バナナ・りんご等の果物類です。

また、最近注目されている米麹などの麹菌も腸内環境を改善します。

米麹菌の酸性プロテアーゼが、極めて少量でも腸内ビフィズス菌を増加させるという報告もあります。

（広島大学記者説明会）

 

これら善玉菌のエサになるものは、「プレバイオティクス」と呼ばれています。

「プレバイオティクス」も抗生物質（アンチバイオティクス）に対して提案された用語で、「大腸内の特定の細菌の増殖および活性を選択的に変化させることにより、宿主の健康を改善する難消化性食品」と定義されています。

 

プレバイオティクスの条件は次の通りです。

・消化管上部で加水分解、吸収されない

・大腸に共生する一種または限定された数の有益な細菌（ビフィズス菌等）の選択的な基質であり、それらの細菌の増殖を促進し、または代謝を活性化する

・大腸内の腸内細菌叢（腸内フローラ）を健康的な構成に都合の良いように改変できる

・宿主の健康に有益な全身的な効果を誘導する

 

この条件は、腸内細菌学会のHPからの引用ですが、わかりやすくすると以下のようになります。

・胃などの上部の消化器官を通り抜けて、腸まで達することができる

・善玉菌のエサになり、善玉菌が増殖する助けとなる

・腸内フローラの細菌の構成を変化させる

・食べた人の健康に有益となる

 

シンバイオティクス

プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたものを「シンバイオティクス」といい、最近注目されています。これは、1995年にGibsonという人によって提唱されました。

 

参考：腸内細菌学会HP用語集ーシンバイオティクス

 

便秘解消にオリゴ糖が効果的とか、〇〇菌のサプリなど売られていますが、オリゴ糖はプレバイオティクス、〇〇菌はプロバイオティクスということになります。

 

シンバイオティクスは発酵食品などのプロバイオティクスとオリゴ糖や食物繊維を組み合わせて摂ることです。

 

納豆は、納豆菌と食物繊維を含むので、単体でシンバイオティクスになります。