子供の食事と学力向上の関係
子供の食事を変えたら学力がアップした
前回は，アメリカの少年院でビタミン・ミネラル不足の子供たちに，ビタミン・ミネラルが取れる食事を与えると狂暴性が軽減するお話でしたが，今回は，同じくアメリカのニューヨーク市の学校でカフェテリアの食事を変えることで，子供の学力がアップした事例を紹介します。
ニューヨークの学校での調査事例
アメリカのニューヨーク市の子供たち100万人を対象に，校内のカフェテリアの食事を変えとどのような影響があるかという調査が4年間かけて行われました。
調査前のカフェテリアの食事は，ハンバーガー，フレンチフライ，ホットドッグ，ポテトチップス，チョコレートミルク，コカ・コーラなどでした。
最初の1年目は，飽和脂肪酸（コレステロールや中性脂肪を増やす脂肪酸で動物性脂肪に多く含まれる）と砂糖の量を減らしました。パンは食物繊維が豊富なものに換えられました。1年後の標準学力調査の平均点が39点から47点へと，いきなり8点もアップしました。
2年目は，1年目の変更に加えて，合成着色料や合成甘味料を使った加工食品がカフェテリアから一掃されました。その結果，平均点はさらに51点まで上昇しました。
3年目は，2年目と同じ食事で，平均点も2年目と同じ51点でした。
4年目は，合成保存料を添加した加工食品は一掃されました。すると，平均点は55点に達しました。
この調査にあたったアレキサンダー・シェラス氏は次のように言っています。
「ニューヨーク学区はこの4年間に教師の給料を上げたわけではなく，教師1人当たりの学童数を減らしたわけでも，カリキュラムの内容を変えたわけでもありません。変えたのは学校内のカフェテリアの食事内容だけです。にわかには信じがたいことですが，『食事が学力をアップした』と言わざるを得ません。今ではカフェテリアで食事をする子供たちが，成績面で学校のトップグループを形成しています。カフェテリアを嫌って家から弁当を持ってくる子どもたちより，平均点が11点も上なのです。」
最近，コンビニのおにぎりやパンを夜ご飯にして，塾に行く子どもを見かけますが，食事を見直すともっと効果的かもしれませんね。
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