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カルシウム不足の解消したいならリン酸塩の摂りすぎに注意

カルシウム不足ならリン酸塩過剰摂取に注意

カルシウムは骨や歯を作る以外にもたくさんの働きをしていますが、現代人にとってカルシウム不足は深刻です。

カルシウムは意識して摂取する必要があるのに、リンは多くの食品に含まれているので十分摂取できる上に、リン酸塩という添加物にも含まれていて、リン酸塩はハムやソーセージ、スイーツなど様々な食品に含まれています。

リンだけで考えると摂りすぎではなくても、リンとカルシウムのバランスは人の健康状態に非常に深く関係しているため、カルシウム不足の状態でリンを摂りすぎると様々な病気の原因になる可能性があります。

 

カルシウム不足が原因で引き起こされる病気

カルシウムが不足すると、骨や歯が弱くなる・骨粗しょう症・動脈硬化や高血圧・変形性膝関節症・腎臓結石・認知症やアルツハイマー病・免疫低下・心臓病などの原因になります。

 

カルシウムの働きやカルシウム不足が原因となる病気についてはこちらの記事を参照してください。

 

カルシウム不足になる原因

カルシウム不足が深刻だとよく言われる原因は、カルシウムの入った食品を十分に摂れていない、日本の水にはカルシウムがあまり含まれていない、カルシウムに対してリンの摂取量が過剰、などが考えられます。

 

カルシウムの入った食品を十分食べていない

仕事に弁当を持って行かず、コンビニでパンやおにぎり、弁当、カップ麺などを買って仕事場でお昼休みに食べる人も結構いますね。

コンビニのおにぎりやパンではカルシウムはほとんど期待できず、栄養バランスがよさそうな弁当でもカルシウムもほかのミネラルも不足してしまいます。

 

さらに、朝食も時間がなくて食べていないとか、パンとコーヒーだけで、夕食だけ手作りご飯を食べたとしても、カルシウムは全く足りない状態が積み重なって行くことになります。

 

日本の水はカルシウムを含まない軟水

日本人がカルシウム不足になる原因の一つに、日本のほとんどの水は軟水で、カルシウムの含有量が少ないことが挙げられます。飲料水も、日本で作られる農作物にもカルシウムがあまり含まれていません。一方、海外、特に欧米の水は硬水で、カルシウムやマグネシウムの含有率が高くなります。

 

リンとのバランスが悪い

カルシウムとリンの摂取量のバランスは1:1ですが、不足しがちなミネラルであるカルシウムに対して、リンは多くの種類の食品に含まれているため、摂取しやすいミネラルです。その上、添加物として様々なところに使われています。ですから、摂取バランスでいうと、明らかにカルシウムよりリンの方が多い人が大半を占めると思います。

 

リンとカルシウムのバランスが崩れると、小腸でカルシウムを吸収するときにリンがカルシウムとくっついてカルシウムが吸収されるのを妨げます。

 

リンは過剰摂取でない?

リンの摂取量の目安は成人で1000㎎ほどで、上限は3000㎎となっています。3000㎎はカルシウムよりリンの摂取が多めになることが考慮されているそうです。この数字から食品に含まれるリンに添加物に含まれるリンを足してもリンは過剰にならない、健常者では、摂りすぎたリンは腎臓の働きにより体外に排出されるので心配することはないとも言われています。

 

数字的には過剰摂取ではないことになりますが、実際はどうでしょうか?

リンの吸収率とカルシウムの吸収率、リンとカルシウムの摂取状況などから見ていきましょう。

 

リンの吸収率

リンは肉や魚などの動物性食品、豆や穀類などの植物性食品、食品添加物などに含まれていますが、それぞれ吸収率は次のように異なります。

 

動物性食品 40-60% 

植物性食品 20-40%

食品添加物 80-100%

 

食品成分表で食品のリン含有量は見ることはできますが、食品添加物に含まれるリンの含有量を確認することは困難です。また、リンが含まれる食品添加物はあらゆる加工食品に使われていて、リンであることがわからないものが多いので、パッケージを見てリンが入っているから避けにくいのです。

 

食品成分データベース

 

リンが含まれる食品添加物

・かんすい

・酸味料

・pH調整剤

・リン酸塩

・イーストフード

 

などほとんどの加工食品に含まれています。

 

カルシウムの吸収率

摂取したカルシウムがすべて吸収されるわけではなく、成人で20-30%と言われ、吸収のよいミネラルではありません。年齢、個人差、食品によっても吸収率は異なり、食品別にみると、牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品は40%、いわし・わかさぎなどの小魚で33%、小松菜などの野菜で19%となっています。

 

リンの摂取状況

多くの食品にはリンが含まれている上に、あらゆる加工食品に含まれているので、推奨摂取量以上は摂れている状況です。

1日の食事で、朝はパンとコーヒー、昼はカップ麺、夜はミートソーススパゲティを食べたとします。

パンやパスタ、麺、肉類にはすでにリンが含まれていますが、さらに、コンビニやスーパーで買ったほとんどのパンにはイーストフードなどのリンが含まれる食品添加物が、カップ麺には多くのリン酸入りの添加物が使われているので、十分すぎるリンを摂取することになります。

 

カルシウムの摂取状況

カルシウムはリンとは異なり、多くの食品に含まれているわけではなく、意識して摂らなければならないミネラルです。先ほどと同じ1日の食事の中に、カルシウムが豊富に含まれている食品はありません。カップ麺には添加物としてカルシウムが使われていることもありますが、十分とは言えません。

 

カルシウムは意識して、リンは気を付けて

カルシウムとリンのバランスについて見てきましたが、いかがだったでしょうか?

リンの摂取上限に達していなくても、カルシウムが不足した状態でリンばかりが多くなると、カルシウムとのバランスが崩れてしまいます。

リンが多く、カルシウムが少ない食事はカルシウムが少なくなるにつれて、副甲状腺ホルモンの分泌が増えるという報告があります。(Food and Nutrition Board,  Institute of Medicine. Calcium, Phosphorus, Magnesium, Vitamin D and Fluoride.  Washington D.C.: National Academy Press; 1997:71-145) つまり、血液中のカルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンが分泌され、骨からカルシウムを溶け出して血液中のカルシウム濃度が正常化されるということです。

 

ミネラルはバランスが大切ですが、カルシウムは意識して、リンは摂りすぎないように気を付けることが大切です。

 

 

 

 

 

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