カルシウムの摂り過ぎは危険？

カルシウムは子どもの成長や、骨粗しょう症の予防のためなどに必要だと、カルシウムが含まれる食品をたくさん食べたり、カルシウムのサプリメントなどを摂っている人もいると思いますが、いくら良いものでも摂り過ぎると危険です。

 

カルシウムを摂りすぎたネズミは成長できない

タケダライフサイエンスセンターの研究によると、成長期にカルシウムを摂りすぎたネズミは成長できなくなることが報告されています。

生後3週間のネズミに、カルシウムを2倍、5倍、10倍にしたエサを与えると、カルシウム量が5倍と10倍のエサを食べたネズミは、骨が成長せず、体重や身長も伸びなかったそうです。

（「あなたの知らない生体ミネラルの真実」沼田光生著）

 

カルシウムサプリメントで冠動脈石灰化の発症リスクが上昇

アメリカのノースカロライナ大学、ワシントン大学、インディアナ大学などの研究者が、「食事とサプリメントからのカルシウム摂取量と冠動脈石灰化リスク：アステローム性動脈硬化症（MESA）の多民族研究10年間追跡調査」についての報告論文の概要が紹介されていました。

結論として、食事から摂るカルシウム量が増えると冠動脈石灰化のリスクが27％低下しますが、カルシウムサプリメントの過剰摂取で、冠動脈石灰化の発症リスクが22％高くなるということでした。

また、アメリカで行われた調査により、カルシウムサプリメントの多量摂取は、心血管の病気のリスクを高め、健康を妨害することから、「摂取を控えるべきサプリメント」のリストに追加されたそうです。

 

参考：「食事とサプリメントからのカルシウム摂取量と冠動脈石灰化リスク：アステローム性動脈硬化症（MESA）の多民族研究10年間追跡調査」

 

類似の報告で、アメリカで39万人を12年間追跡した研究で、「1日1000mg以上のカルシウムをサプリメントで摂取していた男性は、心臓血管系の死亡率が2割高い」と報告され、スウェーデンの女性6万人を19年間追跡調査した研究では、「1日400㎎以上摂取した人は死亡リスクが5割高い」報告されました。どちらの報告も食事だけでカルシウムを摂取した人の死亡率は高くありませんでした。

「くすりの話　カルシウムのサプリメント」全日本民医連のHPより）

 

カルシウムとマグネシウム

カルシウムを過剰摂取すると、マグネシウムの吸収が悪くなります。

マグネシウムは300もの酵素の働きに必須なので、マグネシウムの吸収が悪くなると体内の代謝全般が悪くなります。

また、マグネシウムはカルシウムの働きをコントロールするので、カルシウムばかり摂ってマグネシウムが不足すると、高血圧・心疾患・脳梗塞などを誘発するそうです。

カルシウムとマグネシウムは、2:1で摂るのが良いとされています。

 

バランスが大切

カルシウムは大切なミネラルですが、カルシウム単体で摂りすぎるのではなく、マグネシウムなど他のミネラルとバランスよく摂る必要があります。

カルシウムに限らず、ミネラルを過剰摂取すると、ほかのミネラルの吸収が悪くなるので、ミネラルはバランスが非常に大切です。

ミネラルバランスについてはこちらの記事もご覧ください。

 

ミネラルがバランスよく含まれるヒューミックシェールの植物ミネラル（フルボ酸）はマグネシウムも豊富

ヒューミックシェールの植物ミネラル（フルボ酸）には、マグネシウムをはじめ、多様なミネラルがバランスよく含まれているので、一つのミネラルを摂り過ぎて他のミネラルの吸収が悪くなる心配がありません。