未病は自分で治す

未病は病気が発症する前の健康と病気の間の段階で，自分自身が健康管理に気をつけて自分で治すことが大切です。今回は，未病とはどのような状態か，自分自身の意識を変えることで，体が健康になろうとする力を高め，未病を治せることが多いようです。

 

未病とはどんな状態？

三省堂大辞林によると，未病とは「病気ではないが，健康でもない状態。自覚症状はないが，検査結果に異常がある場合と，自覚症状はあるが検査結果に異常がない場合に大別される。骨粗鬆症。肥満など」と書かれています。

 

☆自覚症状　無　検査結果に異常　有→西洋医学的未病

☆自覚症状　有　検査結果に異常　無→東洋医学的未病

 

症状としては，だるい，肩こり，冷え，肌荒れ，腰痛，眠れないなどで，健康診断の数値が良くない結果として，動脈硬化，高脂血症，血糖値上昇，高血圧なども未病になります。いずれにしても，病気に向かっている状態ということになります。

 

未病の発想は東洋医学

約2000年前の中国の最古の医学書「黄帝内経」には，聖人は未病を治すと書かれています。「この未病の時期を捉えて治すことの出来る人が医療者として最高人（聖人）である」（日本未病学会HPより）という意味だそうです。

病気になる前に治す方が，早く，容易に治るとういうことで，東洋医学では予防を重視していることがわかります。

 

自己治癒力が高められると未病が治る

人間には本来健康で元気であろうとする力、すなわち、自己治癒力が備わっています。この力はホメオスタシス（生命恒常性）が機能することによってできる力です。例えば，食後に上昇した血糖値を下げるために，すい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。食生活などが原因でこのインスリンが正常に分泌されなくなると血糖値上昇になり，ついには糖尿病になってしまいます。

このホメオスタシスが正常に機能すると，体は異常が起きても正常な状態に戻ります。つまり，自己治癒力によって，未病から再び健康を取り戻すことができるのです。

ホメオスタシスについて詳しくはこちらを参照してください。

 

自己治癒力を高めるには？

自己治癒力を高めるためには、ホメオスタシスが正常に機能している必要があります。もし，不調があるなら，ホメオスタシスが機能していないかもしれないので，生活習慣を見直してみる必要があるかもしれません。

 

☆適度な運動をする

ジムへ行ったり，ウォーキングを楽しんだり，時間がなければ，駅まで歩く，階段を使う，姿勢に気をつけるだけでも効果があります。

 

☆ストレスを少なくする　リラックスする

現代ではストレスから完全に開放されるのは難しいかもしれませんが，意識してリラックスタイムを作ることは大切です。ヨガや入浴（特に半身浴）はリラックス効果があります。

 

☆体を温める

体を冷やさずに温めることは不調を解消するのに重要です。

 

☆バランスの良い食事をする

食事は健康の基本なので，バランスの良い食事を心がけることは大切ですが，最近では農薬・化学肥料の使用で野菜の栄養が少なくなっていたり，食品添加物によってミネラルバランスが崩れたりしているので，栄養が不足しがちです。（詳しくは「新型栄養失調」について書いた記事を参照してください。）

特に最近はミネラルの大切さに注目されています。ミネラルは微量ですが，様々な体の機能にはミネラルが欠かせないのでミネラルを補給することも大切です。

 

未病を治そうと意識すると健康になる？

未病の状態を自分で治そうと意識することで、健康を取り戻したというあるお医者さんの話を紹介します。

定期健診で，血圧やコレステロール値，血糖値が高い人を2つのグループに分け，一つのグループには，「生活習慣病です。あなたの生活習慣に問題があります。」と言い，健康管理の方法を指導し，もう一つのグループには「未病です。あなたが自分自身の未病医として治してください。」と言いました。

 

1年後，前者のグループでは，各検査値が改善された人が30％，変化なしだった人が60％，悪化した人が10％だでした。後者のグループでは，改善した人が60％もいました。「自分の健康は自分で守ろう」という意識を持つことが，いかに大切であるかがあらためて分かったとそうです。

（「あなたの知らない生体ミネラルの真実」沼田光生著　参考）

 

病気にまでなる前は，自分自身が主治医となって自分の健康管理をすることが大切なのですね。